ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。<br />家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。<br />1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。<br />最愛の恋人に裏切られ、生命から2番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ! そんな時、〈冷凍睡眠保険〉のネオンサインにひきよせられて……永遠の名作。<br />