私立探偵のフィリップ・マーロウは、億万長者の娘シルヴィアの夫テリー・レノックスと知り合う。<br />あり余る富に囲まれていながら、男はどこか暗い蔭を宿していた。<br />何度か会って杯を重ねるうち、互いに友情を覚えはじめた二人。<br />しかし、やがてレノックスは妻殺しの容疑をかけられ自殺を遂げてしまう。<br />が、その裏には悲しくも奥深い真相が隠されていた……村上春樹の新訳で話題を呼んだ新時代の『長いお別れ』が文庫版で登場