彼は天使猫と呼ばれている。<br />なぜなら、彼の背中には銀色に輝く見事な翼が生えていたからだ。<br />もちろん、彼の姿は猫そのもの――直立二足歩行の巨大な赤猫だった。<br />トレボロ人は体表に無数の目を持ち、ラジェンドラ人は竜にそっくり。<br />そして彼らは流刑囚として、進化の袋小路にある惑星、地球へと送りこまれたが……。<br />日本SF界に鮮烈なデビューを飾った表題作をはじめ、独自の未来史を創り上げていく中篇4篇を収録する。<br />