炎と煙が払暁の空を赤黒く染め、本能寺を焼く。<br />天下人・信長を討たんと光秀の刺客どもが刃を振るう地獄で、森蘭丸は信長の首を独り護る。<br />だが追手から逃れようとしたその時、炎が身体を呑み込んだ。<br />目覚めると――右半身は美貌のまま、左半身が醜く焼け爛れていた。<br />ここで果てるわけにはいかぬ。<br />蘭丸は光秀側の安田作兵衛を抱き込み、ある計略を成し遂げんと……復讐に燃え盛る美青年の計略の行方。<br />激しき戦国悪漢小説。<br />