天象の檻
【第7回ハヤカワSFコンテスト特別賞受賞作】遥かな昔、大地の上で人が住む十二の地域は系(けい)と呼ばれ、神と人との間に生まれた神人(かみびと)を支配者として戴いていた。
系から隔絶されたアタの山に住む少女シャサは、ある日集落が襲撃を受けたことで多くの仲間を失ってしまう。
壊滅した集落に迷いこんだ少年ナギの協力を得て、シャサは姿を消した四人の仲間を探し、まだ見ぬ外の世界へと旅立つ。
シャサたちが訪れた、神人メネが治める『銀鱗』、神人イナーが統べる『暁』などの系では、ある噂がまことしやかに囁かれていた。
曰く、この雄大にして堅固な大地はまもなく海中に没すると――。
時を同じくして、神人タニャを担ぐ『蛇』が勢力拡大を狙って大侵攻を開始。
危機迫るなか、シャサは思いもよらぬ力を発現させ、世の理に干渉してしまう。
その行いが、世界と神人の真実に迫るとも知らずに……。
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