ある女
母が死んだ。
十二歳で学校を辞めて工場で働き、父と結婚した後は、共に店を切り盛りしていた母の人生。
自分の子供に少しでも良い教育をと子どもの数は一人にし、教育にお金をかけてくれた母。
そんな母の誇りは、一人娘が教員免許をとり、知識階級の仲間入りを果たしたことだった。
やがて忍び寄る病魔の影。
母はアルツハイマー病になっていた。
母を引き取り介護に明け暮れるが、自分一人では母の面倒を見切れず、養老院に預けることに――。
フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自らの母親の人生と、母が娘に託したものを綴る、自伝的小説。
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