それまで無関係だった男女が路上で出会う。<br />片岡義男の黄金パターンが遺憾なく発揮された中編小説。<br />女は、様々な土地を回っている渡り鳥の歌手。<br />男は、キャデラックを札幌の友人まで返しに行く途上の身。<br />その2人の出会いは、速度の遅い、しかし猛烈な台風の接近、進行、通過とともにある。<br />過酷、と言って差し支えない状況をともに過ごした2人のその後は果たして?