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1963年、土曜日、午後

片岡義男の短編小説では、男女の出会いは路上で起きる。
それが再会、としての出会いであればしかも完璧に偶然のそれであれば、物語はめまぐるしく時をかけめぐる。
とりわけ、過去の方へ。
路上での、偶然の、実に17年ぶりの邂逅。
2人には、これもまた偶然に、通りかかった友人によってあの日のスナップが残されていた。
それを所持しているのは女のほうだ。
しかし時はとまらない。
男はオートバイ、女はマーキュリーで1人を生きる。
やがて、あたりを取り囲んだ濃い霧の向こうに去っていく。




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