クラブのホステスとサラリーマンの客。<br />ありふれた組み合わせだが、それが片岡義男の短編の登場人物であるなら、その後は同行二人になるはずだ。<br />しかし、ここにロマンスはない。<br />大人の優しさに満ちてはいても、それはロマンスではない。<br />ハードボイルドな響きを持つタイトルだが、「さよなら」の発話者は、意外な人物だ。<br />それだけに男は深い傷を負う。<br />