東京・銀座四丁目交差点付近。<br />休日のこのあたりは、歩行者天国だ。<br />雑多な人々が行きかう路上にこの時ばかり出された簡易テーブルがあり、ハンバーガーを手にした2人の女性がたまたま相席になった。<br />2人はかつて、それぞれの仕方で自然の脅威を目の当たりにし、古い自分を脱ぎ捨ててきた存在だ。<br />それが偶然、自然から最も遠く離れたように見える日曜日の銀座で、周囲に溶け込まず、しかし浮き上がりもせずごく控えめに、微笑と共に出会ううつくしい物語。<br />