ヤー・チャイカ
娘は草原で恐竜を飼うことを夢想し、父は遠い天空を旅する宇宙船の視線に思いを馳せる。
ひょんな出会いで親しくなるイルクーツク出身のロシア人との交流を通して時に東西冷戦の核武装をめぐる硬質な議論も交えながら、あくまでも幻想的に、親と子の距離、人と人の出会いと別れを描く。
無人探査機がさまざまな惑星と出会い、その重力で方向を変えながら旅を続けるように。
【著者】池澤夏樹:1945年北海道帯広市に生まれる。
小学校から後は東京育ち。
以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。
その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。
自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。
2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
http://www.impala.jp
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