ホワイト・アルバム
片岡義男のこれまでの短編の中で繰り返し出てくるモチーフや場面が、ここでも複数、登場する。
夏。
オートバイ。
路上の出会い。
年上の女。
年下の男。
旅。
ストリッパー。
そして、片岡作品の王道(?)である「個人教授」がここにも。
これら見慣れたモチーフが組み合わされると、しかしその都度、新しい物語が生まれる。
同じようなシーンを繰り返し描いてきた片岡義男の短編は、なぜいつもあたらしいのか。
留まるのではなく、通過することを描いているからこそ、ほんの一晩、二晩の滞在の輪郭が鮮やかなものになる。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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