空から舞い落ちる、白い雪。<br />夏の青い空と陽射しが主流の片岡作品にあって雪は貴重な例外だ。<br />しかしながら、同時にこの作家特有の「型」もここに見ることができる。<br />走っている男が、約束もなしに、路上で女を拾う、というパターンだ。<br />現実にそんなことはまずおこらない、という感想は無意味だ。<br />ここには出会いがあり、自然な流れがあり、喜びがあり、時が経過して、やがて悲しみが来る。<br />それだけだ。<br />そして最初と最後に、雪があった。<br />