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春を恨んだりはしない

祈るとは、自分は何をなすべきなのか、それを伝える神の声を聴こうと耳を澄ますことである。
2011年3月11日の直後から池澤夏樹は東日本大震災の現場へ幾度も通う。
光景を記憶に刻み、被災した人々の声に耳を傾ける。
何が起きたのかを決して忘れないために。
あの日の死者たち、被災地の苦悩、日本の国土、原発と政治......この経験から私たちが学ぶべきこと、変化すべきことを思索しながら。
【著者】池澤夏樹:1945年、北海道帯広市生まれ。
小学校から後は東京育ち。
以後旅を重ね、三年をギリシャで、十年を沖縄で、五年をフランスで過ごし、今は札幌在住。
1987年に『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。
その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『静かな大地』『カデナ』など。
東日本大震災に際しては被災地を度々訪れ、その思いを綴った『春を恨んだりはしない』や、長篇小説『双頭の船』『アトミック・ボックス』を発表。
2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の刊行を開始。
http://www.impala.jp【写真】鷲尾和彦:1967年兵庫県生まれ。
早稲田大学教育学部社会科学専修卒業。
97年より独学で写真を撮り始める。
2001年、清里フォトミュージアム主催「ヤングポートフォリオ」入選。
06年、ガーディアン・ガーデン主催「フォトドキュメンタリーNIPPON」入選。
写真集に『極東ホテル』『To the Sea』(赤々舎)、『遠い水平線 On The Horizon』(One Drops)がある。
http://www.washiokazuhiko.com




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