帰ってきた男
今でもぼくはすべての中に溶け込んで消えてしまいたいと願っています。
アフガニスタン戦争時のソ連の偵察機による航空写真に写し出された謎の遺跡。
前人未踏の山岳地帯にあるその石の構造物を調査するために探検隊の一人として現地へ赴いた男は途中で仲間の半分を失うという事故に遭いながらも現地にたどり着く。
天高く一羽の大鷲が舞うその砦は至高の世界への入り口だった――。
【著者】池澤夏樹1945年北海道帯広市に生まれる。
小学校から後は東京育ち。
以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。
その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』等。
自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。
2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
http://www.impala.jp
更新中です。しばらくお待ちください。