彼女から学んだこと
彼女のサイレント・ポートレート会話や口にされる言葉がまったくないまま小説はしばらく進行していく。
彼女、と呼ばれる女性がどんなふうに水にダイヴするのか、どんな水着でどう歩くのか、本を読む時はどうか、オートバイに乗ったらどうなるか、どのようにコーヒーを飲むか、そうしたポルトレの数々で、ストーリーがあるようなないような曖昧さの中で進んでいく。
「彼女」は1人なのか、複数なのか。
そして48章にいたって、転回が始まる。
これはどんな小説か。
「彼女から学ぶ」のは誰なのか?【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
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