オートバイが走ってきた
ステーション・ワゴンではダメなのだ、やはりオートバイでなければまるで別々の2つの作品を接合したかのようにおよそ途中までの展開からは想像もできないようなラストがやってくる。
女と男と女。
3人のあいだには親密な関係がありつつ微妙な温度差があり、従来のような関係を維持しにくくなっている。
3人の中の1人の女性は、借り物のステーション・ワゴンに乗っている時と自ら乗ることに決めたオートバイと共にある時とではなにかが違う。
その「なにか」に向けて物語は過去へと遡行してゆき、そして、まさか、とあっけにとられるラストシーンへと至る。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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