アロハ・シャツは嘆いた
歴史をひもとけば、そのシャツには人に対する肯定的な気持ちと悲しみが込められていることがよくわかる観光地化する以前のハワイ。
その類まれな美しさを象徴する1つの実物として、アロハ・シャツ、というものがある。
史実をできるだけ裏切らないように努めつつ、そこにフィクションを加え、ストーリーを作ろうとしている男性が1人。
それをサポートするためにあらゆる資料を瞬時に集めて見せる女性。
「アロハ」という多義的で肯定的で美しい言葉と出会うことで歴史は動き、様変わりしてしまった現代にあってもまた新たな形式を与えられてそれらはよみがえろうとしている。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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