花よ食卓に来い
朝食の食卓に花が必要だとして、さてその花を忘れた場合に何を持って花とするべきか?男女がテーブルにつき、さしむかいで夕食をとっている。
会話の主題は明日の朝の朝食だ。
女性の毎日の朝食に感心する男性は、しかし土曜日の朝食はいつもと同じではいけない、だからそれを自分が用意する、と宣言する。
土曜日の朝食には、ふさわしい舞台が必要でありそれも彼が用意する。
生活感のない舞台だ。
そこにもう1人の女性が鉢合わせする。
でも問題はない。
なにしろここで問題になっているのは朝食であって、男女関係ではないから。
さて、あとは食卓に必要な花を、どうするかだ。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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