夜はまだ終わらない
成り行きに身を任せ、終わらせたくないから夜はまだ終わらないタフな仕事を終え、明日は何の予定もない。
そんな最もリラックスできる時間に、女は1人、夜の街に出る。
お気に入りの店で1人飲んでいると、微妙といえば微妙な関係の男が入ってきてそのまま2人は自動車で高速道路を長い距離、走る成り行きになる。
何一つ不自然なことはないが、しかし同時にどこかでタガの外れてしまったような夜が続く。
男の態度も終始紳士的でありながら、いくらか謎めいてもいる。
こんな夜は、なぜだろう、眠る気になれないのだ。
女は再び1人になってからも、まだこの夜を続ける気でいる。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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