紅茶の真夜中
真夜中の紅茶の、憐れな運命いったい何事だろう、この短篇小説は。
クーペが2台。
白と黒。
真夜中の道路を疾走する。
どうやらそこには、怒りの感情が渦巻いているようだ。
怒りにまかせて前を行くクーペを追い立てているのはどうやら若い女らしい。
言葉はいっさいなし。
もしかすると、スピルバーグの処女作『激突』に、ちょっと似ているかもしれない。
言葉の変わりに、スーパー・マーケットで買い求められたモノたちが奔流のように酷使される。
優雅な紅茶も、そんな災難の渦中から免れることはできない。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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