煙草に火をつけて終わる
いつもそこには煙草とシャツがあるタイトルには「煙草」とあるがこのシンプル極まりない短篇のもう一つの主役はシャツだ。
普段は吸わない煙草なのに、フランス土産でもらった煙草がバッグの中にある、という状況。
そして、男物のシャツを、男も女も着て、それが次々に別の人物の手に渡っていく、という状況。
シャツにはきっと、煙草の匂いがつきやすいだろう。
しかし、煙草は吸いたい時に吸えばいいし、シャツは所有者が問題ではなく、好きだから着る、ただそれだけでいいのだ。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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