と、彼は思った
と、彼らは語り合ったある時、本のあいだに挟んであるモノに気が付き、思わず昔を懐かしむ、ということは誰にでもある。
この小説では1枚のスナップ写真だ。
ほんの3年前。
しかし20代の3年間といえば、当時と現在とでは大きな差異があることも理解できる。
文庫本の中に挟まっていた1枚のスナップ写真を見ながら若い夫婦は旅に出る。
それは過去の検証から始まり、「そうだったのか」という軽い驚きを伴いながら、やがて空想へと至る。
そしてあの頃と現在をつなぐのは、赤い花束だ。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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