撮られる彼女たち
彼女たちのうつくしき自給自足は、いつでも「いいわよ」と答える女性経験のまったくない18歳の大学生が福引で当たったカメラを持って、次々に女性を撮りまくる物語。
こう書くとまるで冗談のようだが、片岡義男の手にかかればそれが1つの青春の姿であり、同時に女性たち(とりわけ年上の女性たち)にもそれぞれ微妙な変化をもたらし、セクシュアリティをも描かれることになるのだからやはり小説は読んでみなければわからない。
男性とは何か。
女性とは何か。
写真とは? 内面とは? 時間の経過とは?強い肯定感に満ちた長篇小説である。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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