歩いていく彼のヴァリエーション
「彼」は放り出され、一人で歩いていく6つのエピソードからなる短篇だが、一筋縄ではいかない。
なにしろ、6つがバラバラなのだ。
最初の章に男が6人(6人、とわざわざ書いてある)出てくるから、その6人の、それぞれのエピソードを書いたもの、という解釈も成立するだろうが、まったく違うかもしれない。
6人の男は女を見て、会話をして、電話で話し、結婚もせず、別れ話を受け入れ、その後の自分の人生を歩いていく。
この短篇のテーマは、あるいは「孤独」かもしれない。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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