夢の終わるべきかたち
自分を中心にして組み換えるエッチ、という言葉がこの短篇では使われる。
エッチな投稿写真を中心に構成されるエッチな雑誌があり、一人で編集をこなしている女性が主人公だ。
彼女を雇う社主もまた女性。
社主が相当数の「エッチ」雑誌を発行しているのは利益が上がるためであり編集者の彼女がこのような仕事をするのは「ちょっと人には言えないような仕事」をしてみたかったからだ。
そして女性編集者の書くエッセイこそその「思想」を体現するものであり、すなわち男のすべての夢が終わったあとにその空虚を引き受けるのが若い女性の肉体なのだ。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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