青いガーディニアの部屋
彼女が部屋の花に気づく時登場人物は二人だけ。
片岡作品にはめずらしく、中年の男女だ。
彼らの様子はあられもない。
セックスの後にセックスを語り、語りが一呼吸すると、またセックス。
そのあいだに、なぜだろう、仕事のことや、母親(女性のほうの)のこと、その母親の葬儀のことなどが話題にのぼってくる。
どうやら二人は女優と映画監督であるらしい。
行為の前と後、ふと思い出したように彼女はしきりに「部屋が暗い」という。
高層階のホテルの部屋だ。
やがて彼女は、青いガーディニアが活けてあるのを見る。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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