彼女のリアリズムが輝く
嫉妬<落胆<短篇小説ミステリー作家の女性がいる。
20代で選考委員全員から絶賛されてデビューしたものの外国生活を経て結婚し、今は書いてない、という設定だ。
彼女はアタマの中だけで作り上げたフィクションに関心がなく、体験から発想したミステリを得意とするタイプ。
結婚生活も時が経ち、そろそろ書きたくなってきた彼女は夫が持っている複数の鍵に注目する。
どうやらその鍵の中に、夫の嘘があるようだ。
そこから彼女が取った行動と感情には妻としてのダメージよりも、短篇を一つ仕上げることの欲求が大きなウェイトを占めている。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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