写真集に向かって歩く
彼と過ごすこと、撮ること、外出すること29歳の女性がいる。
女優だ。
訪ねてきた男性とベッドで過ごし、男性が帰る際はキチンと服を着て見送り、見送った後は自分も外出する。
それがルールだが、もう一つ大事な行為がある。
撮影だ。
彼女は25歳から自分を撮り続け、30歳になったら写真集にまとめようとしている。
ところで、彼女が外出して赴く先に、あるバーがある。
この短篇のほかに「八月の上半身」「思い出の十二号埠頭」など『人生模様』に収録された短篇はどれも連作短篇としてそのバーと、登場人物の絶妙の重複がある。
併読をおすすめしたい。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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