センティメンタルではない理由から
殺意と反射、その20年20年。
長い時間だ。
20年かけて男は二人の女に会う。
20年前は母親のほう。
そして20年後の現在は娘のほう。
二人は共に28歳である。
20年前に自分の中に刻印されてしまった憎悪が男にはある。
その20年前の出来事を描写するのに、?た。
?た。
?た。
の短いセンテンスをひたすら続けていく文体のアクションがすばらしい。
さあそして20年後の今。
男の憎悪はようやく解放の時を迎えるのだろうか。
女も、男も、それぞれピストルを所持したその状態ではたしてどう展開するのだろうか?【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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