無人島へ連れていく人
すべてがうまくいく撮影の成り行き写真家がいる。
パートナーとして優秀な編集者もついて新しい写真集の企画が持ち上がる。
写真家と編集者は語り合う。
アイディアが拡がる。
そして、瀬戸内の島でヌード、ということになる。
これだけなら凡庸に聞こえかねないが、ここから完璧な島と完璧なモデルを見つけ出す。
島は瀬戸内の歴史を色濃く残す奇跡のような島であり、モデルはその体の均衡、撮影に対する理解力など、パーフェクトだ。
撮影が進んでいく様子が、次々に小気味よく描かれる。
もっともらしい試行錯誤の場面などはなし。
それが片岡義男の小説である。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
http://kataokayoshio.com/
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