西テキサスの小さな町
どのような町にも歴史があり、語る人がいる水道もなければ店屋もない。
水は100マイル先からタンクで買ってこなければならない。
それでも、そこには67名の人々が生きていた。
西テキサスの小さな町。
そこにあるのはカフェとガソリン・ステーションだけだ。
カフェの女性主人は、流れてこの町にやってきた客に昔日の様子を語る。
サーカスがやってきたことを語って聞かせる。
たとえそれが昔であろうと、今は語るだけになってしまったとしても、その思い出をありありと語ることのできる人がそこでは生きている。
西テキサスとは、そんな場所なのだ。
【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。
75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。
ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。
https://kataokayoshio.com/
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