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桟橋

皆から仲間はずれにされていた千代だったが手をとって笑い、走るきっかけを作ってくれたのがミユキだった。
ものごころついて以来の千代は、夕方になると桟橋に出ている父親を呼びにやらされていた。
十歳の時はもう母親の役目をしょわされていた。
赤ん坊のころにはった「てっぺごうやく」でできてしまった禿のせいで、付いたあだ名は二銭銅貨。
しがない境遇のせいで学校では何となく仲間はずれになっていた。
千代は小さくなってうしろの席に甘んじ、自分を主張することを忘れていった。
勉強ができても彼女は手をあげなかった。
そんな千代の手をとって、みんなが笑うときには笑い、走るときには走るきっかけを作ってくれたのがミユキだった。
【著者】壺井栄小説家 1899年 - 1967年香川県小豆郡坂手村(現内海町坂手)生まれ。
坂手郵便局や役場勤務後、同郷の壺井繁治を頼り1925年に上京。
以後東京。
1941(昭和16年)『暦』が第4回新潮社文芸賞を受賞。
1955(昭和30年)『風』で第7回女流文学者賞を受賞。
『母のない子と子のない母と』で第2回芸術選奨文部大臣賞を受賞。
1954(昭和29年)映画「二十四の瞳」(木下恵介監督、高峰秀子主演)が公開され、全国的ヒットとなり、小豆島と壺井栄の名が一躍クローズアップされる。




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