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南長崎線路ぎわ

3人の女性と出会った編集者。
その中でアイディアを得たり、ある予感に包まれながら、夜の線路際へとたどり着く。
南長崎の線路脇、駅で言えば西武池袋線椎名町駅と東長崎駅の間で起こる出会いと再会の物語。
若い女性マンガ家の仕事場に、本を作るための顔合わせに向かった男性編集者が、その母親がやっているコーヒー店へ向かい、そこに長居することで、思わぬ再会も果たします。
3人の女性と次々に出会った編集者は、その中でアイディアを得たり、ある予感に包まれながら、夜の線路際へとたどり着きます。
一冊の本を作るという仕事の発端が、転がるように物語を生み出し、編集者はそうなるのが当然だったかのように、すれ違う電車の音を聴くのです。
初出:「文學界」2014年9月号底本:『ジャックはここで飲んでいる』2016年、文藝春秋【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
文筆家。
大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。
74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。
翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。
小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。
著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。
近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。




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