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愛は真夏の砂浜

高校時代の思い出がうっかり顔を出す。
彼女はそれを覚えていないのか?彼は白状するのか?高校の同級生だった西条美樹子に、作家になった倉田明彦が仕事を頼みます。
美樹子は絵描きであり、かつて倉田は美樹子の絵の才能を目の当たりにして、絵の道を諦めたという過去があります。
それ以上に、美樹子や同級生たちと過ごした、博多の海の思い出が倉田にはクッキリと残っています。
もう30も半ばの年齢になって、しかし、まだ残る博多の海の思い出は、美樹子と話している最中にも、うっかり顔を出し、当然のように、彼女に何かあると気がつかれます。
彼女はそれを覚えていないのか、彼は白状するのか、片岡流リドルストーリーの趣の物語です。
底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』講談社 2015年11月【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
文筆家。
大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。
74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。
翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。
小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。
著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。
近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。




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