いい女さまよう
今やシャッター街となった商店街で生まれ育った長谷川那美。
彼女のさまようための旅物語。
残暑が続く中、地元の四国へフラリと戻った長谷川那美は、マンガの原作を主な仕事にしている。
今やシャッター街となった商店街で生まれ育った彼女は、地元のショッピングモールでレストランを成功させている兄のダットサン・トラック720を借りて、地元を徘徊します。
若い女性とダットサンが奇妙にマッチする地方都市の風景と、大きなショッピングモールで飲める自慢のコーヒー、兄の仕事上のパートナーの女性との食事。
彼女の地元での徘徊は、そのまま、彼女の仕事であるマンガの原作へと繋がっていきます。
さまようための旅の物語です。
底本:『この冬の私はあの蜜柑だ』講談社 2015年11月【著者】片岡義男1939年東京生まれ。
文筆家。
大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。
74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。
翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。
小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。
著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。
近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。
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