父の時代 ―息子の記憶―
日本植民地時代終焉期に生を享けた金源一。
社会主義運動に奔走し、激動の時代を駆け抜けた父の像をさまざまな人々の証言をもとに綴った自伝的小説。
戦前から戦後にかけて、息子の記憶を通して描く「父の時代」の詳細な記録。
現代の韓流ブームという輝かしい文化の背景には、植民地時代、独立後の混沌とした政局、朝鮮戦争、李承晩政権による保導連盟虐殺事件、民主化運動など、激動と苦難に満ちた歴史があった。
この小説は、作者が経験した時代と父についての記憶を、虚構を交えながら語ることを通して、韓国の激変の歴史を淡々とした文体で描いている。
(訳者あとがきより)【目次】はじめに第一章第二章第三章第四章第五章第六章第七章第八章第九章第十章第十一章第十二章第十三章第十四章第十五章第十六章第十七章第十八章第十九章第二十章第二十一章第二十二章作家の言葉訳者の言葉【著者】金源一1942年慶尚南道金海市進永邑で生まれ、大邱で成長した。
1966年から小説を発表し、『暗闇の魂』『未忘』『鳶』『心の監獄』『夕焼け』『落ち窪の庭の家』『火の祭典』など、韓国文学を代表する多くの作品を書いた。
遠藤淳子宮城県仙台市生まれ。
東北学院大学文学部英文学科卒業。
K-BOOK振興会仙台支局長を経て、現在はフリーランス翻訳家、韓国語講師として活動中。
訳書に『?? ?? ??????? ??』(共訳、??(worin)、2016年、〈原題:『「婚活」現象の社会学』編著者:山田昌弘、東洋経済新報社、2010年〉)、『旅するこどもの韓国語・ソウル編』(成美堂出版、2019年)がある。
金永昊韓国生まれ。
韓国外国語大学日本語科卒業、金沢大学大学院修了(文学博士)。
現在、東北学院大学准教授。
専門は日韓比較文学。
『諸国百物語』(2013)、『日本霊異記』(2013、共訳)など、日本の古典文学を韓国語に訳し、その魅力を韓国に紹介しながら、韓国の文学作品を日本に紹介する道に進む。
金鉉哲韓国慶尚南道古城生まれ。
1996年高麗大学国語国文学科卒業。
2003年高麗大学国語国文学科博士課程修了(文学博士)。
現在、東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授。
専攻は舞台芸術。
日韓近代劇の理論形成過程について研究。
主な著書・論文に「韓国と日本におけるコンテンツ概念の比較研究」、「日韓の山岳信仰に関する考察」(『智異山南岳祭の伝承と祭りに関する研究』、求礼文化院、2013)、「日本における韓国語教育の現況と課題」(『韓国初等国語教育』59、韓国初等国語教育学会、2015)。
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