もろこし
時は元末。
世情不安の折から陶華は科挙受験を断念し、蜀への帰路を辿っていた。
従者とはぐれ路銀乏しく道のり遠く、途方に暮れる陶華に声をかけたのは、愛くるしささえ感じさせる不思議な女道士。
続いて二人の行者、こましゃくれた少女、後ろ暗そうな商人、人の好さそうな侠客、と道連れが増えていく。
やがて桃源郷かと見まがうばかりの農村に行き着き、宿を求める。
ところが旅の疲れを癒す間もなく一行の世話係が殺され、村人が多数遺体となって見つかるという事態に発展。
陶華らの中に下手人がいるはずだと、詮議が始まって……。
『銀侠伝』『紅游録』に続くシリーズ第3弾、初の長編で登場。
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