1948年。<br />戦後のパリで、シュルレアリスムの巨星アンドレ・ブルトンが再会を約した、名もない若き天才。<br />彼の創りだす詩は麻薬にも似て、人間を異界に導く途方もない力をそなえていた……。<br />時を経て、その詩が昭和末期の日本で翻訳される。<br />そして、ひとりまたひとりと、読む者たちは詩に冒されていく。<br />言葉の持つ魔力を描いて読者を翻弄する、川又言語SFの粋。<br />日本SF大賞受賞。<br />