少女には向かない職業
中学二年生の一年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり。
それと、冬休みにもうひとり。
……あたしはもうだめ。
こわくて、どうしたらいいかわからなくて、いまにもからだが勝手に生命活動を停止してしまいそう。
少女の魂は殺人に向かない。
誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。
だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけ。
宮乃下静香だけだったから――。
これは、ふたりの少女の凄絶な《闘い》の記録。
直木賞受賞作家が『私の男』に先駆け、過酷な運命に翻弄される少女の姿を鮮烈に描いた慟哭の傑作!
更新中です。しばらくお待ちください。