少年検閲官
何人も書物の類を所有してはならない。
もしもそれらを隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろともすべてが灰にされる。
僕は書物がどんな形をしているのかさえ、よく知らない――。
旅を続ける英国人の少年のクリスは、小さな町で奇怪な事件に遭遇する。
町じゅうの家に十字架のような印が残され、首なし屍体の目撃情報がもたらされるなか、クリスはミステリを検閲するために育てられた少年エノに出会うが……。
書物が駆逐されてゆく世界の中で繰り広げられる、少年たちの探偵物語。
メフィスト賞作家の野心作、《少年検閲官》連作第一の事件。
更新中です。しばらくお待ちください。