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半身

門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。
1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。
19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。
なぜこんな人が、こんなところに?すると、看守から聞かされた。
あの女は霊媒なの。
戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。
魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。
サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ!




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