ブラック・リバー
わたしのためにフィドルを弾いて――病を得て、最期の時が迫った妻クレアからの願い。
だが六十歳の元刑務官ウェズは、三十年連れ添った妻の願いをかなえられない。
かつて勤めていた刑務所の暴動で負った、凄惨な傷のせいで。
その刑務所のあるブラック・リバーという町を離れて十八年。
妻が息を引き取って五日後、あの町に行きたいという、もうひとつの願いをかなえるために、ウェズは旅立つ。
ずっと会っていなかったクレアの連れ子と、暴動の首謀者の仮釈放を決める公聴会での証言が待つ、あの町へと。
静かな語りで切ない物語を描き上げる感動長編。
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