昭和11年、夏。<br />死体が発見されるたびに、なぜか刺し傷の数がひとつずつ減ってゆく。<br />殺された男たちのあいだに交友関係などは一切見つからず、共通しているのは全員が多額の借金を背負っていたことのみ。<br />警視庁特別捜査隊は奇妙な連続刺殺事件の謎を追い、帝都全体に捜査の網を広げてゆくが――。<br />捜査隊隊長が目の当たりにした、事件の異様な構図とは? 『黒龍荘の惨劇』が話題を呼んだ時代推理の雄が満を持して放つ、全体像を最後まで掴ませない油断厳禁の長編推理!