壺中の天国
稲岡市で発生した通り魔事件に三人目の被害者が出てしまう。
犯行声明のような電波系怪文書は、犯人によってマスコミに送りつけられ、センセーショナルな報道はますます加熱する。
特定できない被害者の共通点。
誰が殺されるかわからない恐怖に、平穏だった町は次第にパニックに陥ってゆく。
異様な事件の興奮はシングルマザー・知子の平和な日常にも忍びより、ついに四人目の被害者が。
知子は編集者の水嶋がもたらす情報をもとに、家族や幼なじみの正太郎と共に、犯人像に迫ってゆく。
精緻な伏線とロジックが光る、第1回本格ミステリ大賞受賞作。
/解説=戸川安宣
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