「福家さん、あなた私が犯人だと言いたいの?」「違うのですか?」――ポーカーフェイスの名刑事、今日も徹夜で捜査する。<br />地位と愛情を天秤にかける医師の誤算(「是枝哲の敗北」)、夫の企みを知って機先を制する料理好きな妻(「上品な魔女」)、身を挺して師匠の名誉を守ろうとするバーテンダー(「安息の場所」)、数年越しの計画で恋人の仇を討つ証券マン(「東京駅発6時00分 のぞみ1号博多行き」)……『福家警部補の挨拶』に始まる、倒叙形式の本格ミステリ第5集。<br />