「トム」――夜中にかかってきた一本の電話、それは二十二年前に死んだはずの息子からのものだった。<br />「レイン」――亡くなった著名な作家の遺作には、母国語での出版を禁じ、翻訳出版のみを許可するという奇妙な条件が付されていた。<br />「親愛なるアグネスへ」――夫の葬式で久しぶりに会ったかつての親友、二人の交わす書簡はやがて……。<br />デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた、全5編の傑作短編集。<br />