人間の記憶をレコーディングし、他人にもわかるよう翻訳する技術を生みだした会社・九龍。<br />創業者の不二が病に倒れてからも事業を拡大し続けていたが、記憶データをめぐって起きたいくつかの事件により、世間から非難と疑いの目が向けられていた。<br />九龍に所属する記憶翻訳者の珊瑚は、恩師の不二と大切な居場所である九龍を守るため、真相を探ろうとするが……。<br />デビュー作『風牙』に連なる中編集。<br />/解説=森下一仁