九度目の十八歳を迎えた君と
いつもの時間より遅めの九月の朝。
通勤途中の駅のホームで僕は、高校の同級生・二和美咲の姿を目撃する。
十八歳のままの姿の彼女を――。
二和は僕が卒業してからもずっと十八歳の高校三年生として通学しているという。
周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋をしていた僕だけが違和感を拭えない。
何が彼女をその姿に留めているのだろう? 最初の高校三年生の日々にその原因があるはずだと考え、僕はかつての友人たちや恩師のもとを訪ね、二和について調べ始めた。
『教室が、ひとりになるまで』で注目の俊英が贈る、ファンタスティックで切ない追憶のミステリ。
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