デフ・ヴォイス
手話通訳士・荒井尚人は、結婚後も主夫業のかたわら通訳の仕事を続けていた。
そんなある日、ろうの妊婦から産婦人科での通訳を依頼される。
荒井の通訳は依頼者夫婦の信頼を得られたようだったが、翌日に緊急のSOSが入り――(「慟哭は聴こえない」)。
旧知のNPO法人から、荒井に民事裁判の法廷通訳をしてほしいという依頼が舞い込んだ。
原告はろう者の女性で、勤め先を「雇用差別」で訴えているという。
かつて似たような立場を経験した荒井の脳裏に、当時の苦い記憶が蘇る。
法廷ではあくまで冷静に自分の務めを果たそうとするのだが――(「法廷のさざめき」)。
コーダである手話通訳士・荒井尚人が関わる四つの事件を描く、温かいまなざしに満ちた連作ミステリ。
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』『龍の耳を君に デフ・ヴォイス新章』に連なるシリーズ最新作。
更新中です。しばらくお待ちください。